スペインの北東部に位置し海を眺望するこの広大な地域は、バルセロナ、ヘロナ、レリダ、タラゴナの四県からなり、首都はバルセロナである。
スペイン最高のスキーリゾート地であるビレネー山脈から内陸地に至るまでの間は、樹木でおおわれた連山と肥沃な平野が交互に展開している。
この地方のコスタ・ブラバ、コスタ・ドラダとして知られる変化に富んだ長い海岸線は、世界でも有数の観光地である。
この地方の平均温度は、冬で10℃、春18℃、夏23℃、秋13℃である。面積は31,932km2、人口は600万人人である。
力タルーニヤの大部分の人達はこの地方特有の言語のカタルーニヤ語を話す。 紀元前6世紀までにギリシャ人達は最初の植民地ロサスとアンプリアスを築いており、バルセロナはその後カルタゴ人によって建設された。
続いてやって来たローマ人はこの地方をさらに発展させていった。 9世紀以降力タルーニャは黄金時代を迎え、13世紀、14世紀にかけて頂点に達し、海運国として名を馳せた。
力タルーニャの主要都市は貿易と工芸の中心地として繁栄し、港からは多くの船が各地へ乗り出して行き、中世から続く工芸の伝統技術は19世紀中期に織物製造へと発展した。
今世紀の中頃、力タルーニャは多くの移民を受け入れた。 現在は、海外から数百万の人がその美しい海を求めてやって来る。
ガウディ、ダリ、ミロ、タピエス、セルト、パブロ・カサルスといった世界的にも有名な芸術家達はカタルーニャ出身である。
この地方で最も興味深い工芸品は力タルーニャの黒い陶磁器で、クアルト、ラ・ビスバル、ベルドゥで作られている。 これが陶器家により高く評価されているのは、この陶磁器が先史時代の技術と様式を伝えるものであるからだ。
力タルーニャ料理
力タルーニャ料理はバランスが良く、イベリア半島でも洗練された料理である。 その地理的条件により、フランス、イタリアの影響が見られる。
ここの主な地方料理の柱となっているのは、四つの基本的なソースのソフリト、サムファイナ、ピカダ、アリオリである。 最も美昧しいとされるソースはサムファイナトマト、こしよう、ナスを混ぜ合わせて軽くいためたもの)で、シチュー料理に添えられる。
一方、ソフリトはスペイン料理で広く使われるもので、タマネギ、トマト、ニンニク、パセリを軽くいためてつくる。 ピカダはニンニク、パセリ、トーストにしたアーモンド、つぶした松の実から作られ、アリオリは古代ローマの時代にも食されていたと言われる伝統あるソースである。 これはオリーブ油とニンニクから作られ、すり鉢でクリーム状のペーストになるまで混ぜ合わせ、肉や魚と共に使う。
その他、米料理・肉料理ヘロナ産の子牛が有名)、魚料理がよく出され、ソーセージも数多くある。
この地方のワインは素晴らしく、最高級品はプリオラト産でその他有名なスパークリング・ワインのカバは主にサン・サドゥルニ・ダノイア産である。
デザートに関しては、最高のものはクレマ・力タラナで、これはカスタードをカラメルで覆ったものである。 数々のペストリーやソフトな白チーズのメル・イ・マトは一年中どんな季節でも食べられる。