グラナダ Granada

シエラ・ネバダ山脈の麓のベガ(沃野)にあるグラナダは、観光と農業を主な産業とする。大学町でもある。人口約23万人。
紀元前にはイベロ族が住み、その後古代ローマの支配下に入ったが、イスラム教徒が移住してきた頃には打ち捨てられていた。13世紀にナスル朝グラナダ王国が成立。小国ながら巧みな外交政策により生き延びたが、15世紀末にカトリック両王に降伏、これによりイベリア半島よりイスラム勢力が駆逐され、レコンキスタが完成した。その後キリスト教化が進んだが、現在でもイスラム文化の影響が最も色濃く残る街である。

交通
マドリッドからは高速列車、バルセロナからは寝台列車が通じている。
グラナダ空港は国内線でマドリッド、バルセロナなどの主要都市と結ばれている。
アンダルシアの各都市との間に高速バスが走っている。

気候
大陸性地中海気候で、シエラ・ネバダ山脈に近いことから昼夜の寒暖差が大きい。11,12月が雨季
だがそれ以外は年間を通じて乾燥している。

みどころ

・アルハンブラ宮殿(世界遺産)

イスラム文化の粋を集め造られた宮殿都市。アルカサバ、ナスル朝宮殿、ヘネラリーフェ庭園、パルタル庭園、カルロス五世宮などが丘陵一帯に建てられ、周囲の自然と融合した一大景観を織り成している。
9世紀の砦を発端としているが、本格的に宮殿として建設が進んだのはナスル朝時代。15世紀末にグラナダが陥落した後はスペイン王家の宮殿となり、カルロス五世宮の建設など一部手が加わる。18世紀から19世紀にかけ一時荒廃したが、近代に至って再評価、修復が進み、現在では世界遺産として手厚く保護されている。

・王室礼拝堂

カトリック両王は、レコンキスタを達成したグラナダを埋葬の地と定め、この霊廟の建設を命じた。霊廟にはカトリック両王及び娘のフアナ1世とその夫フィリップ1世が眠っている。

・大聖堂

スペインを代表するルネッサンス様式の大聖堂。16世紀ゴシック様式にて建築が始まったが大部分はルネッサンス様式で建てられ、またその後ファザードをバロック様式に改築した。

・アルバイシン(世界遺産)

ダロ川を挟みアルハンブラ宮殿の対岸にある地区。名前の由来は、戦災で街を追われグラナダ
に避難してきたバエサの人々が住んでいたからとも、アラビア語で「鷹匠の住む地区」と呼ばれていたからとも言われている。細い坂道の入り組んだ住宅地で、高台にあるサン・ニコラス広場からはアルハンブラ宮殿の絶景が楽しめる。

・サクロモンテ

街の東側、アルバイシンに隣接し、伝統的にジプシーの多い地区。洞窟住居があり、現在その一部はフラメンコタブラオとなっている。

グルメ
その他のアンダルシア地方の都市と同じく、アンダルシア料理がメイン。グラナダ特有の料理としては、羊の脳を使うサクロモンテ風オムレツや、干し鱈とオレンジのサラダ・レモホンなどがある。
グラナダ郊外アルプハラ山脈にあるトレベレス村産の生ハムも有名。

ショッピング
大聖堂の南西側の地区にお店の立ち並ぶ通りが集中しており、中でもアルカイセリーア通りでは、細い路地に所狭しと土産物屋が立ち並び、昔スーク(市場)だった頃の雰囲気が楽しめる。

エンターテインメント
サクロモンテ地区の洞窟タブラオでは臨場感あふれるフラメンコショーが観られる。