バレンシア地方は、スペイン東部の海岸地帯の中心にある。 面積は23,105kk㎡、人口は3,790,164人である。 この地域は、バレンシア、アリカンテ、バレンシア、カステジョン・デ・ラ・プラナから或る。
この地域には、海へ向かう2つの山脈がある。 北部の山はイベリア山系の一部であり、南部の山はベティカ山系の一部である。
カスティーヤの高地はその山々の中心を横切って広がっている。 この地域で最も魅力的な特徴の一つはその温暖な気候である。 内陸地区の北部では気温が下がることもあるが、海岸沿いに冬はないと言ってよい。
冬の平均気温は10℃、春は18℃、夏は24℃、秋は14.9℃である。
バレンシア地方の森林、オリーブおよびオレンジの果樹園、穀物畑、水田はこの気候の恩恵を受けている。
この地にはイベリア人、カルタゴ人、ローマ人、西ゴート族、イスラム教徒などが足跡を残してきた。 エルチェの婦人像、サグントのローマ劇場、ラ・アルクディアの王宮など、その例はたくさんある。
イスラム教徒は何世紀もこの土地にとどまり、非常に複雑な潅漑システムを発明し、多くの有益な産業を発達させた。 現在も行われているこれらの産業には、米や柑橘系果物の栽培、絹産業、マニセスの陶磁器工場、ハティバの紙工場などがある。
中世にはタバルカ、エルチェ、ハベアなどの海岸地帯には要塞塔が、内陸部とくにカステジョンの北部には城が次々と建てられていった。 バレンシア王国は、ハイメ1世のもとアラゴン王国に併合された後も自治権を維持していたが、18世紀フェリペ5世により中央政府に組み込まれることとなった。
現在は、伝統的な野菜、果物、穀物などの農業にかわってバルドゥクソ、アルコイ、エルチエ、エルダ、イビなどの都市で、靴、玩具、織物などの製造業がさかんになってきている。
1960年代には観光ブームが始まり、バレンシア地方はスペインでも特に人気のあるデスティネーションとなった。 有名な火祭では地元の職人たちによって1年をかけて作られた人形が盛大に燃やされる壮大な祭りで、世界中から観光客が訪れる。 イスラム教徒とキリスト教徒の祭もまた見ものである。
料理
バレンシアの料理は米が基本である。 バレンシアの料理人は、米を一番おいしく食べるためには大量の材料を米に加えるか、あるいは何も加えないかのどちらかがよい、ということを熟知している。
ここから世界で最もすばらしい料理の一つであるパエージャが生まれた、パエーヤは、スペイン料理の中で主要な料理で、アルプフェラ湖両辺で始まった。
パエーヤのレシピには決まったものはない。 サフランで米に黄色い色をつけ、チキン、豚肉、貝、タコ、ウナギ、イカ、サヤインゲン、エンドウマメ、アーティチョーク、こしょうを加える。
その他のバレンシア地方特有の料理は、各県ごとに異なる。 カステジョンの内陸地域では肉料理中心で、特にラム、子ヤギ、その他ラードで調理した肉が食される。
カステジョンで代表的な米料理としては、サヤインゲンとカタツムリを入れたものや、トマト、タラ、白豆を入れたアロス・エンペドラドがあげられる。
アリカンテ風パエーヤには貝は使われず、チキンとウサギを使う。 おいしい地方料理には、バホケス・ファルシデスがある。 これは米、豚肉、トマトにスパイス類をたっぷりかけたものである。
バレンシアの菓子やデサートにも、いろいろなものがある。 ローストアーモンド、砂糖のバンズ、チョコレートをかけたイースターエッグ、砂糖を振り掛けたカボチャ、クリで作ったアルナディ、スポンジケーキ、ビスケット類など。 果物ではナツメヤシの実と、ザクロが有名である。
有名なトゥロンアーモンドヌガー)のきめ細かさは格別である。 トゥロンには2種類あり、アリカンテ・トゥロンはそのままのアーモンドを大量のハチミツと砂糖でかためていて、ヒホナ・トゥロンは、粉にしたアーモンドで作られている。
現在では他にも果物やココナッツを混ぜた菓子があるが、伝統的な菓子ではない。 そしてそれらと一緒にアルバイダ、チェステ、リリアの白ワイン、ウティエル.レケナの赤ワインまたはロゼワインを飲む。 塊茎から作られる地元の人に人気の飲み物、オルチャタも忘れてはならない。