ブルゴスはカスティーリャ・イ・レオン州レオン県の県都で人口約180万人。
レオンなどと並びサンティアゴ巡礼街道の要衝のひとつである。
新石器時代、鉄器時代の住居跡などが発見されているが、街として建設されたのは9世紀後半とされている。13世紀から16世紀にかけては一時カスティーリャ王国の首都となっていた時期もあった。
20世紀に入ると産業化が進み、特に自動車産業、食産業の重点となった。
叙事詩「わがシッドの歌」や映画「エル・シド」で知られるエル・シッド(ロドリーゴ・ディアス)はブルゴスの出身で、レコンキスタの英雄として名高い。
交通
マドリッド、バルセロナとは特急列車で結ばれている。
ブルゴス空港は極めて交通量が少なく、唯一バルセロナとだけ繋がっている。
気候
大陸性地中海性気候。春は雨が多いが、夏は乾燥気味で気温が高すぎず過ごしやすい。冬の寒さは厳しく雪が降る。
みどころ
・サンタ・マリア大聖堂(世界遺産)
スペイン・ゴシック様式の最高傑作とされる大聖堂。フランス・ゴシック様式に倣い13世紀に建造が始まり、15世紀から16世紀にかけ重要な改変が加えられ、現在の特徴ある姿となった。
ブルゴス出身の英雄エル・シッドとその妻ヒメナの墓所がある。
・サンタ・マリア・デ・ラス・ウエルガス王立修道院
街の西側にあるシトー派の修道院。12世紀後半に建造され広大で要塞のような構造をしている。現存するステンドグラスはスペイン最古。中世には騎士の叙任、国王の戴冠式等が執り行われた権威ある修道院であった。またカスティーリャ王国の王室、貴族の霊廟もおかれている。現在も修道院として機能しているが、見学も可能である。
・ミラフローレス修道院
ブルゴスの街から約3kmの郊外にある15世紀建造のカルトジオ会修道院。カスティーリャ王国のフアン2世が狩猟用の離宮をカルトジオ会に寄進したのがその起源である。この離宮は10年程で焼失、サンタ・マリア大聖堂の設計に深く関わったフアン・デ・コロニア(ケルンのヨハン)が設計を担当、現存する修道院が新たに建造された。
グルメ
肉、豆類を使った料理が特徴。モルシージャと呼ばれるブラッドソーセージや、ケソ・デ・ブルゴスと呼ばれるフレッシュチーズなどが名産。名物料理は子羊のローストや、ブルゴス風スープというラム肉とザリガニを入れた一風変わったスープなど。
ショッピング
大聖堂近くのラ・パロマ通り、ライン・カルボ通りやマヨール広場界隈、またはサンタンデール通り、モネダ通り、ビトリア通りには、名産品などを扱うお店が集中している。
ブルゴスの名産品は、銀製品、籐製品、素焼きの陶器、革製品、菓子、腸詰類、チーズ等。またワイン産地に近いため、各種ワインも手に入りやすい。
エンターテインメント
「サン・ペドロ・イ・サン・パブロ(聖パトリックと聖ポール)祭り」は、中世から続くブルゴスで一番重要な祭りで、毎年6月29日に祝われる。ヒガントネスと呼ばれる人形が練り歩いたり、花火大会、コンサート、闘牛などが催される盛り沢山な祭りである。
また聖体祭の後に祝われる「エル・クルピージョ」は13世紀にイスラム教徒に対する戦勝を祝ったのが始まりとされる非常に歴史ある祭りである。