伝統、楽しみ、想像、それがスペインの祭り=「フィエスタ」の基本的な要素 スペイン人のバイタリティーが本領発揮されるのが、このフィエスタです そこでは、居合わせた人すべてが主役となり、街は日常生活の機能を止め、祭り一色に染まります
スペイン全国で、星の数ほどの祭りが開催されます その起源は歴史の始まりにまでさかのぼり、さまざまな時代の文化を吸収し、より豊かなものとなって今日に至りました 21世紀の今も、祭りは世代を越えて受け継がれています牛追い パンプローナのサン・フェルミン祭では、7月6日から14日に牛追いが行われます この牛追いは世界中から大勢の参加者が詰め掛ける、世界的に有名な祭りです 起源はかなり古く、13世紀の年代記に牛追いに関する記述があります 以前は10月に行われていましたが、天候を理由に7月に行われるようになりました |
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サン・フェルミン祭は3つの異なるタイプの祭りから成っています 一つは、かなり古くから行われている聖フェルミンをまつる宗教的な祭り 二つ目は14世紀以来の商業的な祭り そしてやはり14世紀から行われている闘牛の祭り
三つの祭りが合わさり開催日が変わった結果、1591年に現在の形になり、1926年に出版されたヘミングウェイの小説『日はまた昇る』を通して世界的に知られるようになりました (www.navarra.com/sanfermin) こうした牛追いの伝統はパンプローナに限ったものではありません スペイン全国の市町村の祭りの多くで牛追いは行われています 牛追いの中では、クエリャルの郊外から村の通りへと行われる牛追いが特筆に価します 1215年に始まった同地の牛追いはスペイン最古のものと考えられています(www.ayutocuellar.es) 闘牛 闘牛の起源は16世紀から17世紀にさかのぼります 当時の闘牛は、貴族が騎乗して、非常に厳密なルールのもとに行われていました 現在のような闘牛が始まったのは18世紀になってから 庶民が馬を使わずに闘牛を引き継いだのです こうして闘牛は人々の間に根付いていきました 最初の闘牛士として闘牛を芸術にまで高めたのは、ロンダ生まれのフランシスコ・ロメロです ロメロは、闘牛の形式を確立し、現在使われるような赤いケープを取り入れました |
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各地の主要な祭りに合わせて、闘牛が行われます 最大規模で行われるのはセビーリャの「フェリア・デ・アブリル(春祭り)」 闘牛場内ばかりでなく、客席もまた見ものです
セビーリャの春祭りとともにマドリッドのサン・イシドロ祭に行われる興業も、闘牛界ではシーズンを占う指標となっています 3月にはカステリョンとバレンシア、5月にはコルドバとヘレス、8月にはアルメリア、ビルバオ、サン・セバスティアン、ウエルバ、マラガ、9月にはアルバセテ、バルセロナ、ログローニョ、ムルシア、サラマンカ、バリャドリードでも興業があります ロンダの「ゴイェスカ」も必見 ゴヤの名画に描かれたような闘牛が華やかに行われます マドリッド近郊の村、チンチョンの祭りでは、町の広場が闘牛場に早変わり 誰でも闘牛に挑戦することができます(www.turismochinchon.com) |
宗教的な祭り
キリスト教の行事、祝祭はスペインの祭りを語る上で欠かせません 最も代表的なものは、巡礼、そして聖週間、クリスマスです グアダルキビル河口付近の湿地帯に位置するウエルバ県の小さな村、アルモンテのロシオの巡礼祭には、スペイン中から大勢の人々が幌馬車や馬で集結します 道中、歌い踊りながらはるばると旅をしてきた人々の興奮は、ロシオの聖母が担ぎ出される瞬間、最高潮に達します 聖週間(セマナ・サンタ)はスペイン全国で行われますが、セビーリャ、トレド、クエンカの祭りは特に有名です キリストの受難から復活までを再現するこの祭りでは、各教会からイエス像やマリア像の御輿が出され、信徒の行列に守られながら街を練り歩きます |