カスティージャ・ラ・マンチャ地方 Castilla La Mancha

カスティーヤ・ラ・マンチャはイベリア半島の中心からやや南に位置する。アルバセテ、シウダッ・レアル、クエンカ、グアダラハラ、トレドの各県からなり、面積53,526k㎡、人口170万人、首都はトレドである。

この地方はマドリッド自治州と共に、スペイン内陸部のカスティーヤ高原南部を占めている、北は中央山脈、南はシエラ・モレナ山系に沿ってアンダルシアと接し、タホ川とグアディアナ川の二つの大きな川は大西洋へ、フカール川は地中海に流れ込んでいる。

カスティージャ・ラ・マンチャの年間平均気温は、春は16℃、夏は22℃、秋は9℃、冬は7℃で、厳しい天候にさらされてた荒野と豊かな森林地帯のコントラストが楽しめる地方である。

この地ではスペインを通過した数々の文化の跡を見ることができる。 最も深くその跡を留めているのは、中世を通じて平和と調和を保ちながら共存した、イスラム教、ユダヤ教、キリスト教である。 そしてこれらの人種、宗教、民族が融合した地がトレドである。

レコンキスタ国土回復運動)後に来た封建領主は、広大で見晴らしの効くラ・マンチャ高原に数多くの城と、要塞化した修道院を建てた。ここでは、それらの城や修道院の他に、風車、マヨール広場がよく見られる。

今日のラ・マンチャは、スペイン産テーブルワインの45%を賄う葡萄畑に加えて、近代的工場群も多い。 工芸品では、タラベラ・デ・ラ・レイナとプエンテ・デル・アルソビスポの陶器、アルバセテの金属刃物類、シウダ・レアルのレース刺繍などが有名。

ラ・マンチャの広大な風景
ラ・マンチャの広大な風景

料理

ラ・マンチャ料理はユニークな伝統を保っている。 代表的なものは、ガスパチョだが、同名のアンダルシアのスープとの共通点はない。 これは冬の料理で、しかもごく限られた高級レストランでしか口にする事ができない。 兎肉と揚げパンを材料にした、準備に時間のかかる料理である。

もっとも一般的なのがイスラムがもたらしたビスト・マンチェゴと呼ばれる料理で伝統的ラ・マンチャ流では、赤と緑のビーマンと少量の骨髄を使う。

この地方では、ローストした赤ビーマンとガーリック風味のアホ・アリエロが肉や魚のつけ合わせによく出され、山兎、ガーリック、オニオン、ピーマンをオリーブ油で一緒に調理したトフントなども伝統料理の一つである。

ワインの種類は多彩で、質の良いものが大量に生産されている。

グゥアダハラのトリハTorija城
グゥアダハラのトリハTorija城
クエンカの崖の上の家
クエンカの崖の上の家
カンポ・デ・クリプタナの風車
カンポ・デ・クリプタナの風車
コンスエグラの風車
コンスエグラの風車
アルマグロのマジョール広場
アルマグロのマジョール広場
クエンカの麦畑
クエンカの麦畑