ガリシア地方はスペイン北西部の角に位置し、南はポルトガルと国境を接している。 面積は29,512k㎡で人口は290万人である。 この地方の平均気温は冬は9℃で、春は15℃、夏は19℃、秋は11℃という穏やかな気候に恵まれている。
ガリシアの土地は街角ごとに工業的だったり、芸術的だったり、農業的だったり、漁業的だったりして驚かされる。
ラ・コルーニャやルゴは北にある県で、ルゴ県はビスケ一湾に広がっており、ラ・コルーニャ県は大西洋に面している。 ポンテベドラ県は南部にあり、豊かな自然環境に恵まれている。 対してオレンセ県は海に面していないが、その他すばらしい特徴を特っている。
リアス(入り江)や河口が多く存在しており、これらは沿岸部の人々の生活を支えている。 青銅器時代末には、カストロという戦略的な位置に建てられた円形の壁をめぐらせた小屋が作られ始めた。
その後、ローマ人の侵入がゆっくりと着実に行なわれた。 ガリシア地方はディオクレティアヌス帝の支配の下に建立され、ポルトガル北部、ガリシア、アストゥリアスが含まれていた。
ところがイスラム教徒の出現によって、この帝国は短命に終わる。 又、驚くべきことにガリシアは12使徒の聖ヤコブの墓が発見されたということで、キリスト教の巡礼者たちにとって最も重要な精神的終着地となったのだった。
16世紀に新世界との貿易が始まったが、それと同時に海外への移住も始まり、それは現在まで続いている。
ガリシアの人々は深い森や平原や海岸に散在する小さな町に住んでいる。 彼らはガジェゴと呼ばれる独自の言語を持つ。
ガリシアには、数多くの歴史的・芸術的記念碑が存在している。 これらは芸術的に価値が高く、その中でもサンティアゴ・テ・コンポステラは、“王冠の宝石”と呼ばれ、世界遺産の一つとされている。
その他の著名な建造物としてはシトー修道院、フランシスコ修道会、ゴシック様式のドミニコ修道教会などがある。 壮大な邸宅やオレオ(柱石の上に建てられ、スレートの厚板やタイル屋根の穀物倉庫も注目に値する。
各々の町や村は宗教と迷信の混合した伝統や伝説が残されている。 ガリシアの工芸品は陶器、織物、刺繍など様々である。
料理
この地方で人気のあるメニューはシーフードがソースとなっているもので、ガリシアでは最もおいしい料理の一つである。 それはオリーブ油、こしょう、塩ですべて調理される。
また、エンパナーダといってタマネギと共に肉と野菜をつめたパイも、人気のメニーである。
ガリシアで訪問客に出される最も有名な料理は.ラコン・コン・グレロ豚のくん裂の肩肉と野菜をいっしょにしたもの)と典型的なガリシアのスープである。
ガリシアの貝類には定評がある。 ラ・コルーニャ、ビゴそして特にエル・グロブはオイスター、力ニ、エボシガイ、ハマグリ、ロブスターやホタテ貝の産地である。
肉類は、ビジャルバ産の雄牛肉と食用おんどりがこの地方では有名である。 チーズも多種多様である。 ガリシアのデサートは特に甘く色々な種類がある。 タルタス・エピスコパレスと呼ばれる、果物で包まれたタルタ、タルタ・デ・サンティアゴとして知られているアーモンド・スポンジケーキ、クレープのようなフィロア、そして砂糖でできたドーナツのようなものがある。
ワインはアルバリーニョと呼ばれるおいしいホワイトワインと有名なリベイロがある。 ガリシアではオルホと呼ばれるこの地方特産の度数の高いリキュールが飲める。