先月30日、イベリア航空機事故遺族会の佐藤進会長や越川和彦在スペイン日本大使、現地日本人会らにより、マドリード市内のアルムデナ墓地内にある事故の慰霊碑にて、マドリード・バラハス空港地上衝突事故の日本人被害者への慰霊が行われた。
マドリード・バラハス空港地上衝突事故とは?
マドリード・バラハス空港地上衝突事故とはとは、1983年12月7日にスペインのマドリードのバラハス国際空港の滑走路上でイベリア航空350便とアビアコ航空134便が衝突した航空事故である。
当日は深い霧で視界が 5 メートル程度しかなく、Aviaco 航空機は 自身の位置を確認するに困難をきたしていた。一方で、管制官は、国際基準 に照らせば出せない状況にも関わらず、離陸許可を出してしまった。当時は、 空港施設の改良に伴い、誘導表示機器の改装に加え、空港内の航空 機の移動ルートも変更されていたが、これらのことも Aviaco 機が 滑走路へ誤って侵入する遠因になった可能性があると言われている。
この衝突事故により、イベリア機搭乗者 93 名中、51 名が死亡、内邦人死亡者は 34 名、Aviaco 機の搭乗者 42 名は全員死亡した。
マドリード・バラハス空港内の慰霊碑
事故後、日本人遺族会会長の佐藤氏の尽力により、アルムデナ墓地とバラハス空港に慰霊碑が設置され、同時に日本から取り寄せた桜が植樹された。同会長は、25年以上に渡り毎年慰霊目的で当地訪問を続けている。
現在、アルムデナ墓地の桜は直径50cm程の大木に成長しているが、空港の桜は、残念ながら敷地内工事の影響で2度に渡って植え替える内に枯れてしまい、慰霊碑のみが残されている。
バラハス空港第2ターミナルへ訪問の際は、ぜひ慰霊碑を訪れてみて欲しい。