レオン León

レオンはカスティーリャ・イ・レオン州レオン県の県都で人口約130万人。紀元前1世紀に古代ローマ軍のキャンプ地とされ、定住化が進んだのが街の起源。イスラム教徒の侵攻により一時期無人化したが、その後アストゥリアス王国の一部として復興、10世紀にはレオン王国首都となり、レコンキスタでも重要な役割を果たす。14世紀にはカスティーリャ王国に併合され、レオンは首都としての機能を失い地方都市へと変貌。またスペイン独立戦争の際には、ナポレオン軍に最初に反旗を翻した勇敢な都市のうちの一つであった。サンティアゴ巡礼街道の要衝のうちの一つ。

交通
マドリッドとは特急列車で結ばれている。
レオン空港は極めて交通量が少なく、唯一バルセロナとだけ繋がっている。

気候
大陸性地中海性気候。カンタブリア山脈に近いため夏は過ごしやすく冬は寒い。

みどころ
・サンタ・マリア大聖堂
ブルゴス大聖堂と並び、スペイン・ゴシック様式の代表作とされる大聖堂。
13世紀初頭に建造が開始された。フランス・ゴシック様式の影響が見られる。
ステンドグラスを多用した作りのため、晴れた日には堂内が色とりどりの光に満たされる。
また現存するステンドグラスはそのほとんどがオリジナルである。

・サン・イシドロ教会
11世紀から12世紀にかけ建造された、ロマネスク様式を代表する教会のひとつ。
イベリア半島におけるキリスト教伝播に尽力した聖イシドールス(サン・イシドロ )を奉る。
レオン王国の王室霊廟がおかれている。

・旧サン・マルコス修道院(現パラドール・レオン)
古くよりサンティアゴへの巡礼者の宿泊・病院施設及びサンティアゴ騎士団の拠点であった。
併設の教会、博物館とともにスペイン・ルネサンス様式の代表建築物とされている。
またスペイン独特の建築様式であるプラテレスク様式のファザードは特筆に価する。
現在はパラドール(国営ホテル)として利用されている。サンティアゴのパラドールと並び数少ない5星のパラドールのうちのひとつである。

・ボティネス邸
サグラダ・ファミリアなどで知られるカタルーニャの建築家ガウディの作品。
地元実業家の依頼により、1891年から94年にかけ住居兼倉庫として建設された。
現在は、銀行の本店となっているが、一部見学ができるようになっている。

・旧市街
レオンの旧市街では中世のままの区画がほぼ残されており、通りが細く入り組んでいる。このため車の通行がほとんどなく、またモニュメント、レストラン、バル、ショップなどが狭い範囲に集中しているので、待ち歩きにはもってこいである。

グルメ
厳しい寒さが反映された栄養価の高い料理が多い。
セシナと呼ばれる牛肉の生ハムや、豚肉の腸詰類、ラム肉料理、鱒料理、コシード・マラガトと
呼ばれるひよこ豆と肉類の煮込みなどが名物。
またバリオ・ウメドと呼ばれる旧市街の一角にはバルが集中し、タパスのはしごが楽しめる。
イースターの時期には、マタール・フディオス(ユダヤ人殺し)という飲み物が飲まれる。名前こそ物騒だが、その正体は赤ワイン、水、シナモン、レモン汁などを混ぜたもので、別名リモナダ(レモネード)と呼ばれる一種のカクテルである。

ショッピング
オルドーニョ二世通り、アンチャ通りがショッピングのメインストリート。
日曜日にはマヨール広場はじめ街の各所に生鮮食品、名産品や服飾品の市場がたつ。

エンターテインメント
レオンのイースターは国際旅行文化財に指定されている。