ブルゴスの地の豪奢な建築の数々を後に、スペイン文化の中でも特に独自性を誇るバスク文化を訪ね、比類ない魅力に満ちたカンタブリアを通って、ペニスラの北西の果て、キリスト教世界の重要な聖地のひとつ、ガリシアの地に終わる旅…。
それは歴史を巡る旅、そして町々、村々の豊穣な食文化を訪ねる旅、それぞれの時代の建築モニュメントを訪ね、由緒ある建物や修道院に何泊かのんびりする旅…。
■サント・ドミンゴ・デ・シロス
ロマネスク様式回廊を持つベネディクト派修道院サント・ドミンゴ・デ・シロスは12世紀に建てられたもので、数々のレリーフ、柱頭、ムデハル様式の回廊などで有名です。 これらは西方キリスト教美術のひとつの美を体現しています。
■コバルビアス
この地方独特の民家建築を見ながら石畳の小路や小さな広場をそぞろ歩いてみましょう。 10世紀に建てられたドーニャ・ウラカの塔、ゴシック様式のサン・コスメ・イ・サン・ダミアン参事会教会、そしてカバルビアスの密集した家々は、かつての繁栄をほうふつとさせます。
■ブルゴス
全世界から賞賛されているブルゴスのカテドラルは建築学的視点からも大変貴重なものされており、人類歴史遺産にも指定されています。 またブルゴスの町の郊外のホテル・ロンダ・パレスは注目の的。 少なくとも一泊はしてみたいホテルです。
■サン・セバスティアン
イゲルド山とウルグル山に両翼を挟まれコンチャ湾を抱く、スペインの中でも限りなく美しい町。 グロス地区、ミラマル宮、サン・テルモ博物館、マリア・クリスティーナ・ホテル、ビクトリア・エウヘニア劇場をはじめとして興味深いモニュメントがたくさんあります。 またブレチャ市場は必見。 様々な魚が所狭しと並べられているさまはまさに『驚き』の一語に尽きます。
■ビルバオ
バスク地方の中核都市。 最近オープンしたグッゲンハイム現代美術館ははずせません。 建築家フランク・ゲリーの手になるこの美術館のデザインは印象的。
■サンタンデール
現在メネンデス・ペラヨ国際大学となっている旧マグダレーナ宮、サルディネーロ・カジノ、レアル・ホテル、ペドレーニャ・ホテル等はコスモポリタンでワンランク上の都市、サンタンデールの象徴です。
■サンティリャーナ・デル・マル
国家重要文化財に指定されているこの村は、絵画から抜け出たような美しさです。 歴史的モニュメントの数々はほとんど無傷のまま遺されています。 中世の塔、紋章が刻まれた由緒ある古い屋敷の数々は、12世紀建築の参事会教会を取り囲むようにたたずんでおり、これらはカンタブリア地方の重要なロマネスク様式建築といえましょう。
■アルタミラの洞窟
この村から2キロの所に人類歴史遺産に指定されているアルタミラの洞窟があります。 これは世界の先史時代芸術の中でも秀作のひとつに数えられています。 1万5000年前の壁画には岩の自然な凹凸を利用して動物が生き生きと描かれています。
■コミーリャス
マルケス・デ・コミーリャス宮、ポンティフィシア大学、またガウディの建築『カプリッチョ』でも有名な風格のある村。 `
■コバドンガ
この村の一番美しいスポットは『聖サンティナ』巡礼の地。 礼拝堂は小さな滝のある洞窟の中にあり、ここから出ているトンネルが聖堂に続いています。 またコバドンガからエノール湖、エルシナ湖に是非おとずれてみて下さい。
■オビエド
アストゥーリアス州の州都。 ナランコ山の麓に位置し、前期ロマネスク様式として重要なモニュメントがあります。 オビエドの中心街のホテル・レコンキスタは18世紀建築で、美しいその外観は特筆に値します。
■サンティアゴ・デ・コンポステーラ
人類歴史遺産であるこの町の旧市街のオリジンは中世にさかのぼります。 この街は美と厚い信仰の心で縁取られ、毎年何百万の巡礼者、そして観光客の心を魅了してきました。 この街のオブラドイロ広場に荘厳にそびえ立つカテドラルは、キリスト教世界の重要な聖地のひとつ。 またこのカテドラルの脇には世界で最古のホテルといわれる旧レイジェス・カトリコス巡礼救護所があります。 ここは現在パラドールになっており、その豪華さではスペインのパラドールの最高峰といわれています。 こういったモニュメントに囲まれたこの街はスペインでも比類ない魅力に満ちた街といえるでしょう。