セビーリャ Sevilla

セビーリャはアンダルシア州の州都で同州の政治・経済・文化の中心である。
人口は約70万人で、マドリッド、バルセロナ、バレンシアに次いで第4位。
セビーリャはその起源が紀元前8,9世紀に遡る古い街である。古代ローマ植民地時代には「イスパリス」と呼ばれていた。8~13世紀まではイスラム教徒の支配下に置かれていた。
海に面していないが、中世にグアダルキビル川を通じて港湾都市として交易の拠点となり、大航海時代以降は新大陸との貿易を独占、大いに繁栄した。
セビーリャの旧市街はヴェネツィア、ジェノヴァのそれとともにヨーロッパでも最大規模で、入り組んだ小路の多い中心街は地図無しに歩くのは大変な位である。
1992年の万博の際にアラミロ橋などが建設され、近代的な建築物も目立つようになった。

交通
マドリッドから新幹線AVEが乗り入れている。
セビーリャ空港は国内線が主だが欧州主要都市とも結ばれている。
アンダルシアの各都市との間に高速バスが走っている。

気候
地中海性気候だがステップ気候の影響を受けており夏は暑い。

みどころ

・カテドラル(世界遺産)

メスキータの跡地に15世紀より建設のはじまった、主にゴシック様式の大聖堂。
ヒラルダの塔とオレンジのパティオはメスキータの名残である。内部には4つの銅像により高く掲げられたコロンブスの墓や宝物殿などがある。

・アルカサル(世界遺産)
元はイスラム支配時代の宮殿であった。イスラム文化に傾倒していたペドロ1世の命によりムデハル様式の王宮として増改築された。アルカサルのアラベスク装飾はその繊細かつ壮麗な美しさで、グラナダのアルハンブラ宮殿のそれと並び称される。噴水と草花にあふれる庭園も美しい。

・インディアス古文書館(世界遺産)

新大陸やフィリピンなどスペインの植民地貿易の公文書などスペイン史上大変貴重な資料が数万点保管されている。新大陸到達時代のものが最も古く、コロンブスの日記なども収蔵する。

・スペイン広場

19世紀の万博の際に建てられたムデハル様式の広場。半円のアーチ型に展開する美しい建物に沿って、スペイン各地の都市を表すタイルの装飾が施されている。映画のロケなどにもよく使われている。

・サンタ・クルス地区

中世にはユダヤ人街であった。

・黄金の塔

グアダルキビル川ほとりにある十二角形の塔。13世紀にイスラム教徒により建造。昔は「銀の塔」と城壁でつながれてアルカサルを守っていた。

グルメ
セビーリャの料理・食習慣はアンダルシア地方の他の街々と同じく、イスラム文化の影響を色濃く受け継いでいる。また「フラメンコ風」「トリアナ風」「ラ・マカレナ風」などと呼ばれるのはセビーリャ発祥の料理法。バルをはしごしてタパスを食べ歩くのも楽しい街。ガスパチョやペスカイート・フリート(魚介のフリッター)などもよく食べられる。

ショッピング
旧市街のシエルペス通り界隈がショッピングゾーンとして有名。

エンターテインメント
言わずと知れたフラメンコの本場。「ラ・ビエナル」という2年毎のフラメンコフェスティバルはここセビーリャで開催される。本場のタブラオでぜひフラメンコを鑑賞してほしい。
ラ・マエストランサ闘牛場は「闘牛の大聖堂」とも呼ばれる歴史ある闘牛場で、春祭りには年一番の賑わいをみせる。
グアダルキビル川ではクルーズも楽しめる。