バレンシア Valencia

バレンシアはバレンシア州の首都。マドリッド、バルセロナに次いでスペイン第三位の規模をもつ人口約80万人の都市。
バレンシアは紀元前2世紀に古代ローマ属州の都市として建設されたが、その時代より古い遺跡も見つかっている。その後西ゴート族の支配などを経て8世紀にはイスラム教徒の支配下に入る。この時代に灌漑技術などが導入され、豊かな農業地帯として発展。14世紀にはイスラム教徒を駆逐したアラゴン王国に編入され、更に15世紀には経済・文化両面で最盛期を迎える。1936~39年のスペイン内戦では、共和国政府の臨時首都に制定されたことがある。
現在は観光や港を通じての物流業が盛んである。

交通
バルセロナからは特急ユーロメッドで最短3時間、マドリッドからは新幹線AVEで最短1時間40分
でバレンシアに到着できる。
バレンシア空港には国内各地及び欧州各都市からフライトが乗り入れしている。

気候
地中海性気候で通年温暖、夏は暑いが湿気も比較的高い。

みどころ

・ラ・ロンハ・デ・ラ・セダ(世界遺産)

15世紀から16世紀にかけ建てられた商品取引所で、バレンシア・ゴシック様式の傑作である。
「ラ・ロンハ・デ・ラ・セダ(絹の商品取引所)」と呼ばれるのは、バレンシアで絹産業が盛んだったことから。らせん状の模様を施した柱が高い天井を支える「柱の間」が有名。

・カテドラル

13世紀から数世紀に渡り建設された。主にゴシック様式だが、建設期間が長かったため、ロマネスク、ルネサンス、バロック、ネオクラシックと数々の様式の片鱗が見られる興味深い建物。

・火祭り博物館

火祭りではニノット(張子の人形)は最終日に燃やされるが、1936年以降は人々の投票により燃やさずに保存するニノットが選ばれるようになった。この博物館には「火刑」を免れた名作の数々が保存されている。

・国立陶器博物館

バレンシアの陶器を中心に、古代から現代までのスペイン国内外の貴重な陶器作品を展示。

・芸術科学都市

水族館、科学博物館、オペラハウスなどからなる複合施設。なかでも水族館は欧州一の規模を誇る。バレンシア出身の建築家サンティアゴ・カラトラバ等のデザインによる前衛的な建築物群は一見の価値あり。

グルメ
魚、野菜、オリーブオイルをよく使う地中海料理がメイン。スペイン一の米生産地で、日本でもよく知られるパエーリャはここバレンシアで生まれた料理。オレンジの名産地として名高い。
キハマスゲという植物の地下茎から作るオルチャータという甘いドリンクはバレンシアが本場。

 

ショッピング

陶器メーカー・リヤドロ社の工場が郊外のマニセスにあり、見学とショッピングができる。
ショッピングだけなら市内に直営店あり。日本よりだいぶお得な値段で買うことができる。
ショッピングゾーンは市役所広場から北東側の一帯やコロン通り界隈など。

エンターテインメント
バレンシアと言えば「ファリャス(火祭り)」。毎年3月のこの祭りには国内外から沢山の見物客が訪れ、特にニノットと呼ばれる大きな張子の人形を燃やす最終日には街中が人で溢れかえり夜中までお祭りが続く。
ここ数年はF1やアメリカズカップの開催地などにも選ばれている。
市内には海水浴場があり、ビーチ近くにはパエーリャ専門店などが軒を並べている。
バレンシア郊外の町ブニョールで8月末に行われるトマト祭りも有名。